前回はブンセキを行う上で「成果」の設定についてお話ししました。第5回目の今回は、広告効果検証をいかに理解してもらうかについてお話しします。
■ブンセキ結果への過剰な期待への対応
まず、最初にブンセキというコトバに対する誤解についてです。クライアントも広告会社のプロジェクトメンバーも、私にブンセキを依頼したのだから“すごい発見が出てくるにちがいない”、“今まで考え付かなかった解決方法を提示してくれる”、または“実施した広告施策の正当性を証明してくれる”という期待をされます。
当たり前ですが、私は「魔法使い」ではありません。よって、このような過剰な期待に対して応えられる結果はあまり出てきません。
広告会社で扱っている出稿量や反応量をデータとして広告効果の有効性が明確に出てくる。これだけがブンセキの目的でしょうか?私は違うと思います。広告施策を実施するには、多くのスタッフが関わっています。さらに、その先にはクライアントがいます。そのようなステークホルダーに、私はブンセキ業務で3つの説明ができるように心がけています。
■ブンセキを通じて分かってもらう
一つ目は、「全体像を理解してもらう」です。例えば、広告施策を実施した期間における、反応量と成果を比較対象でるように視覚化することです。これでおおよその見当がつきます。
二つ目は、「整理して見せる」です。以前にも述べましたがブンセキとは分けることです、分けて整理することでココロもスッキリした気分になります。実はこれが大切なのです。
最後は、「筋が通るように説明する」です。高度なブンセキをしてもステークホルダーに理解してもらえないと意味がありません。聞いている人にとって「話が繋がっている」ことに説得力を持ち、納得できるかが大切です。
このようにステークホルダーに分かってもらうためにブンセキ業務があるのです。
ブンセキ的思考で行こう Vol.1 はこちらから
ブンセキ的思考で行こう Vol.2 はこちらから
ブンセキ的思考で行こう Vol.3 はこちらから
ブンセキ的思考で行こう Vol.4 はこちらから
●著者プロフィール
太古益樹(タイコ マスキ)
IMCプランニング局データストラテジスト
大阪府立大学経済学研究科修了修士(経営学)
2015年にデータ分析チーム立上げに参加。
テレビ視聴・オンライン行動ログデータや
購買データ等から広告効果の検証に従事。
ADEXでは、IMC(統合型マーケティング・コミュニケーション)領域において、さまざまな独自のソリューションをご用意しています。クライアント様の“もやもや”を解消し、ストラテジックプランニングの最適解をご提供しています。
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